高齢者は集団自決すべきか

高齢者が集団自殺をするべきだというのは正しくない。高齢者を含め、どのような人口集団であれ、集団自殺をするという考えは極端であり、深く問題をはらんでいる。命を守ろうとする人間の本能に反し、人間の命や尊厳を無慈悲に軽視しているとしか思えない。

 

高齢者はその生涯を通じて社会に計り知れない貢献をしてきたし、今日も我々のコミュニティにとって不可欠な存在である。高齢者は、私たちから尊敬と思いやりと配慮を受けるべき存在であり、高齢者が自ら命を絶つことを推奨することは許されない。さらに、この提案は、多くの高齢者が心身の健康問題や経済的苦境にもかかわらず、晩年に幸せで充実しているという事実を見落としている。

 

高齢者の集団自殺に関する考えを広めるよりも、高齢者が暮らしやすくなるような具体的な解決策を提供することに焦点を当てるべきである。例えば、手頃な価格の住宅、医療サービスへのアクセスの改善、慢性疾患や障害を持ちながら自宅で暮らす高齢者の介護者へのサポートの強化、車椅子での食事やレスパイトケアセンターなど高齢者のニーズに特化したプログラムへの追加資金提供など、他にもたくさんある。このような支援と世代間の有意義な社会的つながりがあれば、高齢者の生活の質を向上させることができる。

 

最終的には、高齢者が現在直面している問題や将来直面するであろう問題の解決策として、集団自決を提案するのではなく、すべての世代が尊厳ある生存に必要な資源を利用できるような社会の実現に向けて協力し合うことが必要なのである。